アロニア・ド・タカザワ
2011年 05月 26日
訪れたのは先月だったのですが、ご報告が遅くなりました。
行って来ました、「アロニア・ド・タカザワ」。
こちらは以前、一日一組のレストランというなんとも敷居の高いお店で
なかなか行く機会がなかったのですが、今回、常連の方にお誘い頂きまして、
ようやくアロニア・デビューすることができました(笑)
といっても、今回も私達のみの貸し切りです。
ちょっとした緊張感を抱きつつ、席へ。
テーブルセッティングはいたってシンプル。
今、流行りの硯のプレートの上にイニシャル入りのオブジェ。
私もWINE SALON h、って作っちゃおうかな・・・(笑)
まずはアミューズ。
左は帆立をパウダー状にして、おぼろ昆布と混ぜて煎餅にしたもの。
薄くパリパリとした食感、程よい塩気が美味しいです。
そして、オイルサーディンのような缶詰の形の器。
プルトップが半分持ち上がっているところが、らしいですよね!
このポップな演出が心憎い。
中には鰯のマリネ・ジェノヴェーゼソース。
う~ん、やられました。
アミューズからこのこだわり。
どんなお料理が登場するのか、ワクワクです!
そして、どこか実験室のデスクのような調理台で盛り付けをするタカザワシェフ。
ここで超絶技巧が施された料理の仕上げが行われる・・・
まさにシェフの華麗なるステージです。
最初のお料理は、ラタトゥユ・様々なテクスチャーをひと口で。
え、これ、ラタトゥユですか???
ラタトゥユの概念を覆したモザイク状の芸術。
それぞれの食感と味を楽しむため、別々に調理された野菜が緻密に配置された一品。
気が遠くなる作業~・・・ひと口で頂くのが決まりだそうなので(笑)、
食べるのもったいない~と言いつつ、パクリ。
野菜の旨みがひとつひとつ感じられます。
もはやサプライズの連続、どーなるこの先?
次の料理は、「テーマ、緑、おひたしのジュレ」。
ちょっと写真ではわかりずらいですが、
下にほうれん草なと緑の野菜のおひたしジュレがあり、
表面にはうるい、こごみ、などの春野菜がのっております。
周りの白い粉はオイルの泡、茶色の粉はイナゴを乾燥させてパウダー状にしたもの。
どちらも雪解けに見立てて、雪と土を表現したそうです。
盛り付けにもストーリーがあるところが素敵ですね。
そして、次はニース風サラダ、「大工さんが作ったら・・・」。
なんのこっちゃ・・・?!
まったく意味がわからず、なぜニース風サラダを大工さんが作るわけ???と、
目を凝らしていると、な、なんとサラダの中に釘や・・・
スパナが・・・
もちろん、これらすべて食べられます。
面白すぎです~!!
ブラックオリーブとアンチョビをピュレにして、
特注のシリコン型で釘やスパナの形に型抜きしたそうです。
グミのようなジェル状の食感とオリーブの味わいがしっかりと感じられます。
これが、「大工さんが作ったニース風サラダ」というわけですね~。
次は、「桜、鱒、煙、大根」。
イメージを膨らませると鱒のスモークといったところでしょうか?
想像はしておりましたが、すっごいスモーク!(笑)
目の前で蓋をはずして下さり、桜チップの香ばしい匂い・・・
燻製のきいた鱒と、桜の花びらの形をした大根。
フレンチでありながら日本の食材や日本料理の技術も取り入れ、
四季の移ろいを目で楽しませてくれます。
次は、「苦味、春の海と山里から~」。
うん、これは山菜でしょうか?
山菜のフリット、サザエのソテー、そしてサザエの肝のソース。
フリットの衣はパセリのピュレでグリーン色に仕上げたそう・・・徹底している。
サザエの肝のソース、美味しいです~。
春の苦味、滋味深い一皿ですね。
そして、ホワイトアスパラガス、カルボナーラ仕立て。
ホワイトアスパラガスを繊維に沿ってピーラーで剥き、パスタのように見立て、
卵黄ソースを絡めたもの。黒トリュフとの相性も絶品です。
まだまだ、サプライズは続きます(笑)。
若竹煮、「バルーンに閉じ込めた春の香り」。
200℃~まで耐えられる耐熱ラップで加熱されたバルーン状の蒸し煮。
熱々のバルーンはシールで密封され、こちらも目の前で開封して下さいます。
この赤いシール、どうみてもUKシールに見えるのですが・・・
あ、CA用語です、スミマセン(笑)。
中からは筍、鳴門ワカメ、脱皮する前の伊勢海老、ハマグリ、金目鯛、・・・。
日本料理とのコラボ、ハマグリの出汁が絶妙です。
ようやくメインにきました(笑)。
って、ここまで十分にメインのような感じですが。
最後は、「ロッシーニ、タカザワ特製トリュフと」。
ロッシーニとは、牛フィレにフォアグラとトリュフを添えた料理のこと。
こちらを、今回はほろほろ鳥とその白レバーとともに・・・
そして、タカザワ特製トリュフとは?
香茸というキノコをペースト状にし、黒トリュフの形に仕上げた偽トリュフ。
トリュフを手作りしてしまうなんてスゴすぎる。
アメリケーヌソースとの意外な組み合わせがなんとも新しい。
は~、もう料理の説明を覚えるだけで大変です(笑)。
そして、デザートは「カマンベール、マヌカハニーとベリーのジャムを添えて」。
そう、もちろん、カマンベールのままではない・・・
カマンベールに見立てたチーズケーキです。
チーズケーキと言ってしまうとあまりにも稚拙なほど、
表面のコーティングといい、中に散りばめられたトリュフの香りといい、
繊細な味わいです。
さらに、そら豆のプリン、セロリのギモーブ。
すべてのお料理にシェフのこだわりが冴えわたり、
想像を超えるパフォーマンスに驚きの連続です。
あらためて料理もエンターテイメントであると感じました。
見た目で楽しみ、味わいで驚き、余韻で感動する・・・
私もこんな料理を作れるようになりたいなぁ~!
次回のサプライズが今から楽しみです。
by chacochaco2008 | 2011-05-26 21:57 | 食べ歩き