恵比寿 翁

恵比寿にあるお蕎麦屋さん、「翁」へ行って来ました。
ここは普通のお蕎麦屋さんではありません・・・（笑）。
敷居が高く、なかなか行く機会がなかったのですが、
今回、ようやく訪れることができました。

メニューはコース料理のみ。
それもお蕎麦という感覚の値段ではない。
3ツ星フレンチのディナーが軽く頂けます・・・

そんな緊張感漂う中、席に着くと
女将さんがいらっしゃって、ご丁寧なお出迎えを受けました。
なるほど、こちらが噂の名物女将というわけですね。

ひとしきり、お店の伝統とスタイルについて、
ご説明を頂きました。
そこへ前菜が運ばれ、女将の説明が続く・・・

サファイア茄子の煮びたし。



京都から取り寄せたというサファイア茄子。
加熱する前の色がサファイアのように美しいことからそう呼ばれているらしい。
何やら前菜からこだわりの一品が登場し、
完成度の高い料理に期待が膨らみます。

鮑のスープ。



器も素敵ですね。
写真ではわかりにくいですが、鮑がたっぷり入っております。
そして、極上に美味しいスープ！
この味は忘れられない感激の味わいですね・・・

銀杏。



こちらも京都から取り寄せたという、銀杏。
盛り付けも綺麗ですね。
こういうちょっとしたことにおもてなしの心が伝わります。

日本酒。



特別に職人さんにオーダーしているという、ヒノキのお猪口。
お酒を注ぐと、なんとも香しい香りが広がります。
実に美味しい・・・

八寸。



お酒に合う肴が並びます。
秋刀魚の炙り、真子カレイの漬け、その縁側のポン酢和え、
新イカとウニの巻き物、鱧の落とし。
味付けはすべて返しを使ってるとのこと。

どれも丁寧な仕事が施され、ひとつひとつに奥深い味わいがあります。
江戸の粋な楽しみ方を感じる料理にゆっくりと舌鼓です。

太刀魚の巻き焼き。



ふっくらと焼いた火入れの仕方が絶妙ですね。
「客に最高の食材を最上の状態で出す」という店主の心意気が感じられます。

芋茎のお浸し。



何気ない料理にも手を抜かない、そんな丁寧さがうかがえる一品。

揚げだし湯葉。



甘めの返しと蕎麦の実の香ばしさがほどよく、
とろけるような湯葉が絶品です。

最後は、お待ちかねの更科そば。



美しいくらい真っ白な更科。
なるほど、「翁」自慢のそばに納得です！

繊細な料理に感動したのはもちろんですが、
女将さんの粋なホスピタリティーに誰もが心地よくなることでしょう。
帰りに、特別に（？）ヒノキのお猪口とお店のお箸を下さいました。



女将さん曰く、「うちにいらっしゃるお客様は世界中の美味しいお店を訪れ、
一流を知ったお客様ばかりだから極上のおもてなしを心がける」と。
料理を楽しむということは滞在した時間が素晴らしいと感じられることに
対価がありますよね。
そんな贅沢なひとときを過ごさせて頂きました。