千花
2012年 12月 21日
どちらかというと花より団子かな・・・(笑)
今回も行きたいお店が何軒かありましたが、
その中のひとつ、「千花」へ行って来ました。
まだ星を獲得する前から友人に薦められていたのですが、
3ツ星になってしまい、ちょっと緊張。
祇園の喧騒から少し奥まったところにひっそりと。
赤い提灯が印象的。

お店の中へ入ると、白木のカウンター越しに
壁一面、芸術品であろう器がずらりと並んでおります。
まさに3ツ星の風格ですね。
家庭的な料理が「千花」の伝統料理。
とはいえ、決して真似はできませんが・・・
才巻き海老と柿の前菜。

添えられたジュレ(←日本料理では何て言ったら良いのか)が、
とても繊細なお味でした。
湯葉豆腐。

美味しい・・・
青味大根。

京野菜ですね。
サッと湯がいてあるので大根のえぐみが抑えられ、
それでいてシャキシャキとした食感が残され、計算され尽くした味わい。
こういう細やかな仕事に料理人の意気を感じます。
豚肉と蕪の味噌仕立て。

こちらは冬の風物詩らしい。
一見、おばんざいのようですが、滋味深いですね。
蓮根の真丈揚げ。

ふんわり柔らかくて、とっても美味しい~!
お椀。
蟹真丈、ヒラタケ。

京都ならではの上品な吸い地。
お造り。
真鯛、本鮪。

器は古伊万里、九谷など、どれも目を見張るものばかり・・・
器を愛でる楽しみが料理の味わいをいっそう深めますね。
ここで、名物八寸、登場。

お酒に合わせて、数種類の酒の肴をお持ち下さいます。
ゆっくりと日本酒を味わう、至福の時間。
この日は常連さんらしきお客様が二組と私達だったので、
お隣りから心地よい京都弁(って言うのかな)が聞こえ、
なんとも京の夜を感じるひとときでした。
真鯛カマの煮つけ。

こちらも京風の薄味で、優しい味わい。
酢の物。

ここにきて、かなりお腹いっぱい・・・
海老芋の和え物。

最後のお食事は、柴漬けと紫蘇ごはん。

こちらも千花名物のご飯。
もち米の上にたっぷりの柴漬けと紫蘇がかかっております。
よく混ぜて頂くらしい。
何がすごいって、有り得ないほど細い紫蘇の千切り・・・
これは前回の京都訪問でも感動だったのですが、
「なかひがし」「丸山」でも素晴らしい包丁使いが衝撃的でした。
フレンチも細かい作業が多いですが、やはり京都の日本料理の文化は
その歴史と重みを感じさせますね。
水菓子は、フレッシュオレンジジュース。

こちらも千花名物。
懐石料理の最後にジュースとは何とも不思議な感覚ですが、
最初から最後まで「千花」流を堪能させて頂きました。
とりたてて派手な演出もなく、華美な食材もないのですが、
ひとつひとつの料理への丁寧な仕込みと繊細な味わいが印象的でした。
帰りは女将さんが表通りまでお見送りして下さり、
京の粋な夜の余韻にしばし酔いしれておりました。

by chacochaco2008 | 2012-12-21 11:38 | 食べ歩き